悲壮の牡丹


「砕花」

彩音が言った。

その時、突然砕花の時間が進んだかのように彩音の方向に走っていった。

そこで、私は気が付きとっさに立ち上がって砕花の背中を追いかけようと体を向けた。


その時、初めて彩音を見た。
殴られている彩音を。

どうすることも出来なかった、一年前のこの時の自分。

わからなかったんだ。