無音の世界に響く携帯の音。
あまりにも煩くて驚いたぐらいだ。
慌ててカバンから取り出して、名前を見ると‘彩音’と表示されている。
一瞬とるのをためらったが煩くて出ることに。
「…もしもし」
『もしもし!?ルネ?ルネ?ルネルネー?』
彩音とは21才の今時な女のコ。
私より二つも年上なんて分からないぐらい。
私の名前は留子亜。
彩音だけがルネと呼ぶ。
その彩音とは知り合ってまだ一年ぐらい。
それなのに結構頻繁に連絡をとる。
出会った頃なんて覚えてない、お互い酔ってたから。
「何?」
『今日泊まるー!!もう、着くから開けといてー!』
それだけ言われて通話を切られた。
え?まじで?なんて声を彩音は知らない。
仕方なく鍵を開けた。
その瞬間扉が勢いよく開いた。