「あ、そういえば」

彩音がそう言って私の顔を見た。
もう、夜は深くなっていて明るくさせるのは周りの煌びやかなネオン。

「元彼から連絡きたの」

そう言って笑顔で言ってくる彩音。
でも、なんか切なそうだった。



「そうなんだ」


それだけを返したら彩音は少し間を置いて頷いた。


「あの時、あんたはあの時と同じ表情をするんだね」


そう言われた時、彩音と出会った初めの頃を思い出した。