悲壮の牡丹


まったりと過ごしたお昼。
今はもう午後三時。

学校から帰宅している小学生ぐらいの子達の声が聞こえる。

「出かけよっか」

いきなり彩音が言った。
そして、私の肩を揉み鼻歌を歌った。


「どこに行く?」

私が言うと笑顔で答えた。

「たまには、二人で化粧してショッピングしようよ」

私の肩から手を離し、目の前でたくさんの化粧道具が入ってるポーチを出した。

そして、いつもみたく、ゴテゴテのメイクをしようとしていた。
つけまつげを取り出し、ファンデも、マスカラも色々出した時、私は彩音の手を止めた。

「なに?」

少し不機嫌になった彩音の声。

「今日は二人なんだから、薄っぺらいものでいいじゃない」

私がさらに言うとまた彩音は機嫌が悪くなった。

「なんなら、私がメイクしてあげる」

有無を言わさず、彩音の顔を優しく揉むように化粧を進めた。
薄い薄い化粧を。

いつも、イメージはしていた。
薄いナチュラルメイクを施した彩音はどんなに輝くんだろうって。

それが今日見れる。

不慣れな手つきでやっていたせいか、彩音が少しずつ手伝ってくれた。