悲壮の牡丹


あ、本当だ。と私がボソッと付け加えると大きなため息をつかれた。

「でも、この人なんで人を殺したんだろうね」

そう私が言うと、彩音はまた大きなため息をついて渋々答えた。

「殺人犯は頭がおかしいのよ」

そう言って携帯を荒々しく閉めた。
『犯人の名前はー…』
そこで止まってしまったニュース。正確には無理矢理止められたニュース。

「頭がおかしいんだ…」

そう呟いてる私に目もくれず彩音はまだひかれてある布団の上で転がっていた。


「名前、なんだったんだろうね」

彩音に問いかけたが、知らない。と冷たい一言を浴びせられた。


「知り合いじゃないしね」


外はもう、綺麗な秋晴れ。
もうすぐ冬というのに暖かかった。