木内の手が私の手に触れる。



 『あ・・・これ!顕微鏡の右端にあるやつ。ちょっとそれっぽいんだよね。』



 木内の手ってあったかい・・・何だかぽわっとした気分に襲われた。



 「あー。これね!これ・・・ミュータンスがちぎれたヤツだよ。そのすぐ横に丸くて長く連なったのあるでしょ?それのはぐれたもの。安心しろよ工藤!」


 
 冷静な笑みを浮かべながら木内は自分の席に戻っていった。


 
 「マジで!?!?良かった。俺肺炎!?とか思たん。」


 『ったく兄やんはお騒がせすぎ!ウルサイし』



 お騒がせな工藤はなんとも憎めない笑顔で皆に「ごめんなー♪」って言いながらもご機嫌だった。