「あら、帰ってたの??」 あたしの気持ちとは正反対のお母さんの声にイライラする。 いつもお花畑にいるような、呑気なその声が嫌い。 あたしは無視して階段を駆け上ると、下から 「最近機嫌悪いわねぇ…」 なんて声が小さなため息と共に聞こえた。 そう思うんなら、あたしに聞いてこればいいのに。 そう思いながら、部屋のドアを勢いよく閉めた。