マスターは頷きながら聞いてくれた。



全てを話し終えたとき、ようやくマスターが口を開いた。



「その様子じゃ、言える人が見つかったんですね」



やっぱりマスターは何でもお見通しのようだった。



何だか照れ臭くて、小さく頷いた。



「でもその人に、先に言われちゃったんです」



少し落ち込んで言えば、そうですか、と失笑された。