Distance（みちのり）

まだ日も昇らない明け方 玄関のチャイムが
ピンポーン ピンポーン
祖父が やって来た。父の名前を書いた"離婚届け"を手に 「あとわ廣枝さんが書くだけだよ。修二わ昨日の夜中 この街から出した。さっ、かすみを こちらに 渡しなさい。」
「かすみわ渡しません！」
「連れて行くからな。」そう言って祖父わ 母の腕の中から私を連れ去って行った。
「かすみーかすみを連れて行かないで！かすみ‥」泣き崩れる母を背に 祖父の車わ走って行った。