本当は行ってほしくなんかない
出て行ってもほしくない
ずっと、傍にいてほしい――――







「じゃあな。学校で」


「うん、気をつけてね」


「おう、お…じゃなくて、彩夢もな」


「うん……」



呼び捨てじゃなくてもいいのに
“お前”でも、十分良かった
涙と話せてるだけで、あたしは満足だもん


なーんて、言えたらいいのに…






「あ、そだ」


「ん?」


「わすれもん」