狼くんと羊ちゃん

「結構、広いなぁー!」


無邪気な涙。
涙って、こんな感じだったけ?


「あ。わりぃー。俺の家マンションで狭いから」


「そうなんだ…。学校、慣れた?」


転校生だってこと忘れてた。
初対面の人じゃないみたい…




「一人で住んでんの?」


「え、あ。うん…」


「ふーん……」



なにか考えている姿なのに、きらきらと輝く涙。

どうしてあなたは、そんなにカッコイイの――――?







あたしの頭の中は、いつの間にか涙のことでいっぱいだった