狼くんと羊ちゃん

「ごめんね…、僕の天使♪」



天使…か。


「うっせー。いくぞ」


「え。ちょ、ちょっと!!?」



無理やり引っ張って行く、涙。
い、痛い…。
あたしをどこに連れて行く気……?







「はぁー…、着いた」


「ここ…。あたしの家?」


「そ。この前、お前がここに入ってくの偶然、見かけたもんで」


「そ、そうなんだ。……家の中に入る?」






男の子を入れるのは、すっごく嫌だけど涙だからいい。
涙だったら入れても――――












ガチャリ。
「ただいまー」


「おじゃましまーす」



誰もいないはずなのに、部屋の中に温かみを感じるのはどうして?