スタートの合図で始まるゲーム


うつむきながら、ぎゅっと下唇を噛み締める。


「………。」


先生は何も言わなかった。


私の気持ちを分かって言わなかったんだ。



先生は本当に……優しいね。





しばらくして、あかねが起きてきた。



「それじゃあ、あかねちゃんは色々あったし、
今日は家に帰りなさいね。
玲奈ちゃんも…どうせだから一緒に帰っちゃいなさい。先生から適当に理由言っておくから、ね?」


どうせ授業に出席できる状態じゃないしね。



「…はい、分かりました。あかね…行こう?」


あんな場面を見られたからか、あかねは気まずそうにうつむいていた。


「うん。…先生、ありがとうございました。」


「いえいえ、お大事にね♪」



さっきの真面目な顔とは打って変わって、優しいニコニコとした表情だった。



保健室のドアを閉じる時、バチッと先生と目が合った。



その目は確かに『頑張れ』って言っている気がした。