「レイ…宮本財閥って知ってる?」


宮本財閥…?聞いたことないな…
でも一応「知ってる」って言おうかな。


また疑われたくないし。


「知ってるよ♪」


満面の笑みで答えた。


「……知らないでしょ。」


ギクッ


「何で分かった……あっ!」


しまった!
こんなの自分から「知りません」って言ってるようなもんじゃない!!
あ~あ。


チラッとあかねの顔を見ると、あきれる顔を通り越して明後日の方向を見ていた。


やばいな…声かけた方がいい……よね?


そう判断した私は


「あ…あかね?」


「やっぱり知らなかったんだね…」


意外にも早くこっちの世界に帰って来た(笑)


「ハ…アハハハ…」


あかねは、はぁ~と大きなため息をしてからまっすぐ私の目を見た。


「レイはさぁ…嘘つく時必ず右手の小指を触ってるんだよね。…気づいてなかったでしょ。」


「うっそ!!全然気づかなかった!!」


あかねよく見てるなぁ…


ボケーっと感心している私。そんな私を見てあかねがハッという顔をした。


「話ずれちゃったじゃない!!っていうか、さっきどこまで話したっけ?」


顔を少し傾けながら、目をパチクリさせるあかね。


あぁ~。


女の私でも惚れちゃいそう(笑)


ハッ!!


話の途中だった!


「ん~と、宮本財閥のところまでだよ。」


慌てて答えると、あかねはあぁ~そうだったそうだったと手をポンッと軽く叩いた。