しばらく窓の外を見ていると……


「「「「「キャ~~~!!悠斗様~~~!!」」」」」


外から黄色い叫び声が聞こえて来た。


「な…何事!?」


私がびっくりしていると、後ろに座っていた女の子が


「悠斗様が来たんだよ!」


と興奮しながら教えてくれた。


振り返ってみると、小さな顔によく似合うショートヘアの明るい女の子がいた。


わぁっ!かわいい!


でも……


「あのさ……」


「うん?」


ニコニコながら優しく教えてくれた彼女には申し訳ないんだけど…


「悠斗って……誰?」


この私の一言で、クラス皆が一斉に私に驚きの目を向けた。


「えっ……?な、何?」


そんなに有名な人なの!?と思いながら皆を見ていると


「レイッ!!!!」


ズカズカと怒りを露にしながら、あかねが近づいて来る。


あまりの恐ろしさに「ヒッ!」と声を漏らしてしまった…


「あんた、宮本悠斗(ミヤモトユウト)を知らないの!?」


皆に聞こえないように、コソコソと話す2人。


皆に聞こえちゃまずい話なのかな…?


「う…うん。だって会ったこと……」


「無くても皆知ってるの!!!!」


う゛ぅ…私の言葉を遮らなくたって…


「……本当に知らないの……?」


あかねが疑いの目を向けて再確認してくる。


「本当に知らないんだもん…。」


ここまで疑われると、ちょっと悲しくなってくる(泣)


私が本当に知らないと分かったのか、


「分かった。」


と“宮本悠斗”について話してくれた。