『おっはー』 と。 ゆるーく登場した若い先生。 小顔で細くて、ノリの良さそうな。黒い短髪でスーツなのだから、もちろん真面目そうに見えるけど。 どこか今時の若者と言う言葉を醸し出すような。 はっきり言ってかっこよかった。 『新しい子!理恵!数学と理科担当の前川です。よろしくねー』 前川は左手に教材を抱え 右手を私に向けた。 咄嗟に 左手を小さくあげると 左足をあげて大袈裟にハイタッチした。 数学に怯えるドキドキに重ねて ワクワクするように心臓が高鳴った。