『次は?次は何をするの』

「解散だな。」


『え?』



終わってしまうのだろうか。

まだ
一緒にいたい。


『まだ20時だよ?』


「理恵が早く来たからご褒美。95点もとれたしね。」
『…でも』

そんなの全然ご褒美じゃない。ご褒美くれるなら

もっとずっと

一緒にいてよ。








ぽんっ









私の気持ちを読み取ったかのように

前川の大きな手が

頭に乗った。




「やりすぎもよくないよ。頑張ったんだから明日に備えてたくさん休んで、最善を尽くす!」



『…。』


「わかった?」


『…うん。
点数とったら約束守ってよね?』



前川は
今までで一番優しい笑顔を
理恵に見せてくれた。


「何にしても
俺は嬉しいから。力一杯やってきなさい。」


『はい。』

理科はテスト1日目。

戦いに行く
勇者のような気持ちで
塾を後にした。