愛、桜

「ずいぶんと仲がいいなぁ、おい」
「そ、空助なり!」
慌てて優から離れた。他の誰に冷やかされても動じない麻友だが、この空助だけには冷やかされたくないのか、単に苦手にしているだけなのか、あからさまに顔を赤らめて恥ずかしがっている。
「そ、空助。助かったよ」
「助かった?来るなの間違いじゃないの?」
そうニヤけると、麻友ますます顔を赤らめていた。
「そんな訳ないだろ。俺がいくら言っても、麻友は言うこと聞かないんだから。みんなにジロジロ見られて、ホントに最悪だよ」
それは空助に向けられて発せられた言葉だから、優の真意なのかはわからない。男同士の当たり前の挨拶のようなものかも知れない。それでも麻友はやるせなかった。だから俯いた。
しかし、気づく事もなく優と空助は話を続けていた。
「優、これから暇?」
「暇っちゃ、暇だけど?」
「じゃ、ちょっと付き合わね?これから南女子高の娘と合コンなんだけどさ、一人風邪引いて来れないんだよ。な、いいだろ?」
「合コンかぁ・・・」
聞いた事はあったが、実際に行った事はない。興味があるのは間違いなかった。
「いいだろ?付き合えよ」
「そうだな、行ってみるかな」
「よし、そうこなくっちゃ。じゃあな、麻友。気をつけて帰れよ」
優の肩に手をやり空助は行ってしまった。