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―――――――1週間後






梨乃は空に飛び立っていった。

もう2度と、



君に逢うことはできない―――――――





俺は、誰もいない梨乃の病室を片付けていた。

その時、ひきだしと目が合った。




"…ひき..だ...し..っ"




梨乃が言っていた。
俺はひきだしを開ける。

すると、1枚の手紙がタオルの上に大切そうに置いてあった。

俺は、その手紙を開ける。









〔翔太へ


この手紙を読んでるときは、多分私が死んだ後だと思います。

少し迷ったけど、この手紙を書くことにしました。


まず、今までごめんね。
私が病気なんかにかかっちゃったせいで、翔太を深く傷つけてしまった。
本当にごめんね。

そして...1番言いたかった。
ありがとう。
病気の私に、いつ死ぬか分からない私に言ってくれたよね。

"俺と永遠の時を刻んでください"

って。


本当に嬉しかった。
でも、それを叶えられなくてごめんなさい。
一緒に生きるって誓ったのに...ごめんね。


だから、私の分まで精一杯生きてほしい。

私の分で大変にさせてしまった分、
それだけの幸せがきっとくるはずだから...

翔太は優しいから、きっと大切な人ができるはずだから...

私が、翔太を天国で見守っているからね。
…私のこと、忘れないでね?


さよならとかは、絶対に言わないからね。
今までありがとう。


…1つだけ、私と約束してほしいの。

…辛い事があっても、前を向いて..
笑っていて下さい。


指輪は半日しかはめられなかったけど、とても幸せでした。

天国で、翔太の幸せを願っています。


梨乃〕









再び、涙があふれ出る。





…こんなにも俺を愛してくれてありがとう。




俺は、幸せです。




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