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「ちょっと、今日の面会時間はもう終わってますよ!?」

「えっ...あの...」

「あっ...もしかして北村さん?」

「はい...」

「ごめんなさいね。
…それじゃ」


俺は昨日、医者に言われた。


"金本さんの容体は至って危険です。
ですから、できるだけ一緒に居てあげて下さい"

夜の面会時間も、俺は行けることになった。



哀しいことだけど、少しでも一緒にいたかった。





【ガチャッ】





「…梨乃?はいるぞ」

「…翔太?いいよっ」


梨乃が俺を待っていてくれた。




「…調子どう?」

「なんか今は調子良いよ!」

「良かった...」


ふと、カレンダーを見る。


7月28日に、赤丸が描かれている。




「―――――花火大会の日?」

「うん」


それは花火大会の日だった。




「…あと、3日。
3日で...花火大会か...」

「もう楽しみで仕方ないよ。
…早くこないかなぁ」

「そうだな」


その時、俺はくしゃみをしてしまった。
夏なのに、少し寒かった。




「…大丈夫?風邪ひいたの??」

「んー...」

「…ベットの中、入る?」










…えっ?




「何て言ったの?」

「…ベットの中、入る?」

「なっなっなっなんで!?」


愛梨乃の爆弾発言で、とんでもなく顔が赤くなった。




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