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.「 なんで俺がお礼言われんの? 」

「 だってつけてくれたから 」


梨乃の顔は、真剣だった。

…なぜだ?


しかし、理由は聞けるはずもなく...




「 …梨乃、お前携帯持ってる? 」

「 えっ?持ってないよ 」

「 マジで!? 」

「 うん、本当。
だって伯母さんが買ってくれないんだもん 」

「 …伯母さん...? 」

「 うん、お母さんのお姉ちゃん。
今は一緒に住んでるんだ 」


そんなことは初耳だった。



「 そうなんだ... 」

「 伯母さん、色々厳しくてさ 」

「 そっか...あっ!! 」

「 どしたの? 」


俺はまた、あることを思い出す。

屋上へと向かう時に、ある"紙"を見たのだ。


それは"花火大会について"の紙――――...




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