君の初恋だけを


『…大学の先輩がね、

色々知ってて…』


翔くんがにこりと笑いながら話し始める。


笑っているのに
きっと…笑っていない。


『今飲んだお酒、美味しかった?』


私の手首を掴んでる手と反対の手で
私の髪を撫でるように触れている。


『ジュースみたいでしょ?

でも結構アルコール強いんだよね…』


覆い被さるように近づいた身体から
温かい体温と甘い香りがした。


…女物の香水。



…女物の香水はさっきのコが?


香りが移るほどそばにいたの?




目の前に翔くんがいて、

私に触れて、

しゃべって、

体温を感じる…




それができてることが
震えるほど嬉しくて、

それがいつでも許される存在に
震えるほど嫉妬をしてる。


無理矢理押さえつけられた手を
払い除けようともがいた。

触らないでよ…
私以外の女に触れてる手で。