私の三年生としての始まりは最悪だった。

私に、一年の時に急所を蹴りとばされた男子が、隣の席だったのだ。

江崎哲哉。
大柄な体格で、野球部に所属。女子に優しいらしいが、チャラくて、ふざけてばかりいるやつ。


後ろの席の井上綾と仲が良かったからいいものの、男子だったら発狂していたところだ。


「綾!!今年も同じクラスで良かったねー!!」

「ね~!しかも、前から安西、井上、入江だよ!すごくない!?」

「ほんとだよ!!これで私、入江と三年間同じクラスやわぁ」

「あ、そうなん?良かったじゃーん、入江で。」

私は席に着くなり、綾と喜びを分かちあった。

しばらくして、担当が教室に入ってきた。

あ~、また担当内野だよー。憂鬱だなぁ、もう。

黒板の前で喋る内野先生に恨みのこもった視線を送る。

ふと横を見ると、江崎と目が合ってしまった。

「なんだよ」

「いや、別に?」

「安西、俺と同じクラスで嫌だろ。」

当然でしょ!?嫌いなんだから!!

「まあ」

思ったことは言わず、テキトーに短く返す。

「おぅ、大丈夫。俺も嫌だから、俺のち○こを蹴った安西の隣なんて」

「あっそう!!」

なんなんだよ、もう!腹立つな~!!あれわざとじゃねぇし!!何回もそう言ってんじゃん!!