そんな思いを読み取ったのか分からないけれど、彼女は小さく笑った。
「……暁は知ってたはずなのに、私が聞いても教えてくれなかった。私も私で、ネットでも何でも方法はあったのに特に調べたりすることもしないまま、今日まできちゃったわけなんだけれど」
別にそれで良かったの、暁の好きなものを私も共有出来てるっていうことだけで。
彼女は言った。
「暁との思い出の曲、なんてあんまり言いたくないけどね、それでも、聴いてる間は暁を近くに感じられるからーー思い出して悲しくなることもあるけれど」
彼女の言葉を耳にしつつ、僕は今までの彼女を思い返した。
最初に屋上で見た時、彼女は泣いていた。
彼が好きだったという曲を聴きながら。

