「……彼ね、暁っていうんだけど、同い年で幼なじみで、いつも一緒だった」
右京君と笹倉さんみたいにね、と付け加えて更に彼女は続けた。
「私は理系が得意だけど、暁は苦手で、文系はその逆。テスト前になるとお互いに教えあったりしてた。足りない部分を補うみたいに」
ふと彼女がグラウンドに目を向けた。
どうして僕に自分の過去を語ろうと思ったのか。
「……」
急すぎて、何も言葉が出てこない。
何も浮かばない。
ただ、彼女を見つめた。
「暁は中学から野球部で、高校に入ってからは一年なのにベンチ入りさせてもらったり、期待されてた。暁はずっと甲子園目指して頑張って練習してたから、私は彼のそばでずっと応援するつもりでいたの」

