屋上に出てそっとドアを閉める。 数歩歩いたところで彼女を見つけた。 無造作に置いてある椅子に座り、夕日をじっと眺めているようだ。 僕は彼女の斜め後ろにいるから髪の毛に隠れて彼女の顔は見えない。 ――その時。 正面の方から風が吹いた。 それによって彼女の長い髪が後ろになびく。 そして、気づいた。