「……誰情報?」 「山田だよ。あいつの親戚が、椿さんの前いた学校にいるらしい」 「……へぇ、そうなんだ」 山田さんはひまりとよく一緒にいる子だったか。 窓際の席に一人座っている山田さんに視線を送る。 今はひまりもいないから静かに本を読んでいるけれど、何か気づいたらしい。 キョロキョロと見回して“何か”が僕の視線だと気づくと慌てて目を逸らした。 理由は分かっているみたいだ。