落ち着かない心のまま、土曜日と日曜日は過ぎていった。

月曜日の朝、いろいろ考えて土日に眠れなかったツケがまわってきてぼんやりと学校までの道を歩く。


そんな僕の心境に関係なく、校内は多くの生徒で相変わらずザワザワとしていた。



「右京!」



クラスメイトに声をかけられる。
教室内もやっぱり騒がしい。

ふと、彼女の席に目をやる。

珍しく彼女はまだ来ていないようだった。



「右京、聞いたか?」

「何を?」



のそのそと教科書を机の中に片付けながらクラスメイトに言葉を返す。

目の前のクラスメイトは興奮気味に僕の顔を覗き込んで言った。



「椿さんの話だよ!」