「右京」



ひまりの呼び掛けに身体をそちらに向ける。



「……どこ行ってたの」



トーンは違っても、同じ質問にはいつも通り答えれば良い。
そう思ってさぁね、とお決まりの言葉と笑顔を返した。

ところが今日のひまりはそれでは納得しないようだ。


いきなり核心をついてきた。



「椿さん、でしょう?」



疑問文なのにもう答えは断定しているといった言い方だった。