ゆっくりゆっくり歩いて、行く時の倍以上もの時間をかけて家に帰った。 「……どこ行ってたの」 自分の部屋のドアを開けるとひまりが僕のベッドの上に座っている。 ひまりが僕の部屋に勝手に入るのはよくあることだけれど、今日は何だかいつもと違う空気を感じとれた。 「来てたんだ、ひまり」 それでも僕はあくまで普通に声をかける。 ふと、コップを置いたままだったのを思い出して、机に目をやった。 コップが二つ。 でもその一つは、飲まなかったはずの麦茶が空だった。