「っ、椿さん」 僕は何度彼女の歩みを止めれば気が済むのだろうか。 「CD、いつまででも良いから」 一瞬振り返った彼女は軽く頷いただけで、 行ってしまった。 でもその顔には少しの笑顔が見えたと思う。 夕焼けとの相乗効果なのか、オレンジ色に染まるその後ろ姿までも綺麗で。 やっぱり彼女はどこまでも完璧だと思った。