「美都、テレビは?」
聞くと、見ない!と返事が返ってきたので、明日の準決勝だか準々決勝だかの試合についてアナウンサーが話していたけれど、プチンと電源を切った。
全国の野球ファンには申し訳ないが、僕は野球にはあまり興味がない。
甲子園だったら、自分の住む県からどこの高校が出場したのかくらいは耳にするけれど。
まぁそんなことどうでも良いかと思い、麦茶の入ったコップを二つ持って部屋に戻った。
ふぅ、と深呼吸を一回。
部屋のドアを開けた正面に彼女が見えた。
「麦茶だけど良かったら飲んで。見つかった?」
「わざわざありがとう。……中々見つからないの。目が痛くなるから、時々目を休めないと探せないわ」
言いながらも彼女はラックから目を離さない。

