「どんな話するんだろうね」 「昼休みの時は椿さんが家に行くとか何とか言ってたような……」 家ーー? 椿さんが右京の家に、行く? 唇を噛みしめる。 右京と椿さんはいつの間に距離を縮めてしまったんだろう。 右京が最近冷たくなったと感じたのは……彼の視線があたし以外に向くことが増えたからだったんだ。 あたしはずっと右京の一番近くで。 親より右京との時間が長いくらいで。 ……それでも右京の“幼なじみ”止まりだったのに。 椿さんはいとも簡単に、あたしの一番望むものを手に入れてしまったというの?