「最近、屋上行ってる?」

「……まぁ、もう日課みたいなものだから」

「……そっか。そうよね」



彼女がそんなことを聞きたいわけじゃないのは分かってる。

彼女だって逆の立場なら僕がいなくても屋上には行くだろう。
その場合、僕とは違って彼女は単純に屋上に行きたいという理由からだということも。



「……教室で話すなんて初めてね」



彼女が話しかけてくれなかったらきっと、これからもない状況だろうなと思う。



「何か用事?」



決して突き放したいわけではなくて、残り5分しかない昼休みの時間を考えての言葉。