彼女の名前みたいな名字――椿は、とても綺麗で君に似合ってる。 そんな歯の浮くような台詞を思い浮かべてしまった。 さすがに言えなくて、会話が途切れる。 今日のグラウンドは静かだ。 だけど彼女との沈黙は嫌なものではなく、むしろ心地良かった。 「……浅羽、右京君は」