―――――――…… ――――――…… 「……嘘つき」 放課後。 彼女がいなかったらどうしよう、とドキドキしながら屋上に来たわけだけど。 彼女はいた。 僕が来たことに気づいて、僕をじっと見据えた彼女の第一声が“嘘つき”。 「……嘘をついた覚えはないんだけどな」 「私、右京って名字なのかと思ってた」 彼女は話しながらイヤホンを外した。 また、音楽を聴いていたらしい。 「名前を聞かれたから答えただけであって、名字とは言ってないよ?」