「おはよ」

「朝からすごいよねー、彼女」



ひまりの言う“彼女”が誰のことかはすぐに分かる。



「男子から人気のある美人って、女子からは嫌われやすかったりするんだけど。椿さんはそんなこと全くないみたいだし」

「……そうだな」

「でも毎日あんな感じで囲まれてたら、あたしだったら疲れちゃうなー」

「いや、ひまりはまずそんな状況にならないから大丈夫だろ?」

「うるさい!例えばの話でしょ!右京は椿さんと話したこともないくせに」



ひまりがバンッと机を叩いた。