屋上で別れた後、次の日から本当に彼女は学校に来なかった。


終業式の日、彼女が転校するという話を担任がしてクラス中が驚いていたっけ。

もちろん、その話も光の速さで広まっていたのは言うまでもないだろう。


ものすごく無機質に、事務的に彼女について話す担任を見ながらあぁやっぱりそうなんだ、と心の中で呟く。
既に聞いていたこともあって、騒ぐクラスメイトと対称的僕はひどく落ち着いていた。

ひまりが何か言いたげな視線を送ってくるのが分かったけれど、それには応えずにいた。


中途半端だったと自分の中で認識はした。

ここ数日、ひまりがチラチラと僕の様子を伺うように見ているのは知っている。


“認識”はしても、まだ僕はひまりとの距離感を図っている状態だった。