何を言っても無駄だと分かってる。
それならばーー、と僕は彼女を抱きしめた。
傷心の彼女を慰める優しい男になりたかったわけじゃない。
身体が動いていた、と言うのが正解だろう。
「右京君?」
案の定彼女は身動き一つしないまま尋ねてきた。
「あー、その……」
ただ、自分でも衝動的な行動だったのではっきりとした理由は答えられなかった。
しばらく考えた後、
「ごめん……良い奴になりたかったわけじゃないんだ。身体が動いて……」
結局正直に言うことにした。
彼女は相変わらず身動き一つしなかったけれど、ありがとう、と彼女が小さく呟いたのが聞こえた。

