学校を出て数分後、やっと華菜は走るのをやめた。



「ね、やっぱりいいことあったんでしょ?」

「え…まぁ(笑)」



華菜は再び頬を赤らめた。



「拓也がね、夏休みに海に行かないかって」

「いーなー」



これまで二人がデートしているところはたまたま見かけたくらいだから、何をしてたのかは分からない。

でも、そんな贅沢なことはしてないみたいだけど。

だから、華菜が喜ぶ気持ちはよく分かる。





だって、あたしだって───





「そっちは?光輝はもういいの?」

「え…」



いいっちゃいいし…





寂しいっちゃ寂しい───?