動物園が楽しくて仕方なかったあたしは、動物園内を出てからもはしゃいでいた。


「お父さん!あの坂まで競争ね!」

「おぅ!いいぞ~」


無邪気なあたしはお父さんにそう提案した。


「よ~いドン!」


勢いよく走り出したあたし。


「危ない千笑!」
「ちぃちゃん!」

お父さんやお母さんがあたしの危機を教えてくれているのにあたしは全く気づかなかった。


「ちえー!」

『キィキィー』

「おと、う…さん…」


『ドン!』


あの光景はスローモーションに見えた。