正直、二十歳になってから 居酒屋に行くのは初めてだった。 誕生日に友達と宅飲みしたぐらいだし。 その時は3杯ぐらい飲んでも平気だったから あまり酔っぱらわないだろう。 「そんじゃ乾杯!」 彼がハイボールのジョッキを持ち上げる。 「何に対して?」 「うーん、なんだろう」 決めてなかったのかよ。 「千晴ちゃんの退職祝い?」 「縁起悪い」