後ろ姿で分かった。 “彼”だと。 スーツってことはイコール、就活だ。 彼も就活しているのだ。 当たり前か、同じ就活生なんだもの。 それでも私のクラスはお気楽な奴ばかりだと思っていた。 あんたも、そう思っていた。 急に現実を突きつけられた気がした。 「中原さん…!久しぶり! 来てくれたのね!」 職員室で先生が元気よく手を振る。