「そのもの、たまさか里におりきて、雅なる舞いと歌とで人を酔わせ、かつその精をくらう……そ、その民、世にも麗しき童子の姿をなむしたりけると……」

 姫夜は凍りついたように動かない。

「麗しき童子――?」

 ハバキがずいと歩み寄ると、男はおびえたように首を横に振りながら、後ずさった。そしてそのまま目をむいて倒れてしまった。