姫夜は目を閉じ天を仰ぐように顔をあげた。そのおもてに恍惚とした笑みが浮かんだ。

「……これを持ちて我を汝(な)が剣とする」

 蛇神はおもむろに姫夜の胸に手をあてた。そして次の瞬間、光を放つ剣を胸から引き抜いて、柄の方をむけてハバキに差し出した。
 ハバキはその剣を受け取って呆然と姫夜をみつめた。
 姫夜の頭ががくりと前に垂れ、ふたたび顔をあげた。