禍津姫戦記

「今なんといった」

 ハバキははっとし、熱でぼんやりしている頭を狂ったように働かせて、蛇神のことばを咀嚼しなおそうとした。

「そなたがずっと心にかけていることだ。カツラギの王よ。そしてこの者もそうだ。たがいにひとつことを考えながら通じ合えぬとは。さてもさても、ヒトとはわからぬもの」