禍津姫戦記

「でも、神宝はわたしが身につけてしまう。それではハバキを守るものが何もない」

「俺の心配はするな。子どもはもう寝ろ」

 姫夜は美しい瞳をあげて、果敢に云い返した。

「ハバキ、こんなときだけ子ども呼ばわりするな。ワザヲギのわざにかけてはわたしのほうがハバキより上だ。頼むから剣を貸してくれ」

「断る」