禍津姫戦記

「ほかの神は承知してくださらなかったのだ。蛇神だけが、そなたの剣に宿ってもよいと云ってくれた。でもハバキは蛇神のことを嫌っているようだったから……」

「だから俺に黙って、やろうとしたのか」

 ハバキはため息をついた。

「俺はクニツカミの力に頼るつもりはない。それにクチナワは、いざというときおまえを守るだろう。剣に封じるなどとんでもない」