やがてクラトが女たちを従えて、入ってきた。三人の女はささげ持ってきたものを姫夜の前に並べた。ひとつは卵ほどの大きさの石に穴をうがって作った、見るからに素朴な石笛(いわぶえ)である。もうひとつは白銅の見事な鈴で、唐草花文様が微細に彫り込まれていた。三つ目は五弦の琴だった。
ハバキが云った。
「長くしまいこまれていたゆえ、使ってやれば喜ぶだろう。姫夜、どれでも一つ、好きなものを選べ」
「はい」
ハバキが云った。
「長くしまいこまれていたゆえ、使ってやれば喜ぶだろう。姫夜、どれでも一つ、好きなものを選べ」
「はい」
