熱い吐息がまぶたに、頬にかかる。
大きな逞しい手に腕を撫で上げられ、からだの芯がとろけそうになる――

(姫夜……)

 聞き覚えのある声に、姫夜はハッとして目をみひらいた。
 ハバキ。
 羞恥と驚きに全身がカッと熱くなった。とたんに神気は消え失せた。

(なぜ……なぜハバキが)